研究成果概要

国総研資料 第 1285 号


【資 料 名】 空港舗装の応急復旧に用いる常温アスファルト混合物の性能評価方法の検討
【概   要】

 本研究では,空港舗装の応急復旧に用いる常温アスファルト混合物の塑性変形抵抗性と施工面との 接着性が,加熱アスファルト混合物と同程度であることを評価するための方法を検討した.
 塑性変形抵抗性を評価する方法として,降雨がない状況を想定した常温ホイールトラッキング試験 と降雨時の状況を想定した常温低速ホイールトラッキング試験を選定し,接着性を評価する方法とし て,せん断試験を選定した.各種試験における試験条件が試験結果に及ぼす影響を調べた結果,常温 ホイールトラッキング試験と常温低速ホイールトラッキング試験では,航空機のタイヤ接地圧下にお いて湿潤硬化型の常温アスファルト混合物の塑性変形量が特に大きくなり,加熱混合物との差が明瞭 になることが分かった.また,樹脂系の常温アスファルト混合物は,養生時間が短く発熱による硬化 が不十分な場合に,加熱アスファルト混合物の塑性変形抵抗性に及ばないことから,養生時間に留意 する必要があることが分かった.樹脂系の常温アスファルト混合物のせん断強度は,施工面に滞水が あると低下し,加熱アスファルト混合物より小さくなる場合があった.
 得られた結果を踏まえて,加熱アスファルト混合物と同程度の性能であることを評価するための試 験条件と評価指標をまとめた.

【担当研究室】 空港施設研究室
【執 筆 者】 河村直哉、坪川将丈


研究資料全文

全 文

820KB

目 次

1. はじめに

2. 本研究の性能評価に用いる試験方法の選定

2.1 塑性変形抵抗性に関する既往の評価方法
2.2 本研究の性能評価に用いる試験方法の選定

3. 本研究に用いる常温混合物の選定

3.1 試験材料
3.2 供試体の作製方法
3.3 試験条件
3.4 試験結果

4. 塑性変形抵抗性の評価方法に関する検討

4.1 試験材料
4.2 供試体の作製方法
4.3 荷重条件が試験結果に及ぼす影響評価
4.4 温度が試験結果に及ぼす影響評価
4.5 養生時間が試験結果に及ぼす影響評価
4.6 評価方法のまとめ

5. 施工面との接着性の評価方法に関する検討

5.1 供試体の作製方法
5.2 試験材料
5.3 試験条件
5.4 試験結果
5.5 評価方法のまとめ

6. まとめ

6.1 塑性変形抵抗性の評価方法について
6.2 施工面との接着性の評価方法について

7. おわりに

参考文献